この暑いのにわざわざ自転車で走るなんてバッカじゃないの!?(挨拶
編集幹事、ばんざいです。
ロングライダースVol.1の記事中でも最も暑い時期に長時間走ったレポートを書いた私が、少しでも快適に夏場のライドを楽しむ為、あるいは過酷な状況でも死なない為の熱中症対策についてまとめてみました。
但し、これはマニュアルではありません。
これに限ったことではありませんが、他人の例を丸ごと真似し『これだけやっておけば大丈夫』という安直な発想は避け、自分の身体と相談しつつ「良い塩梅」を探りましょう。
参考にすると共に、自分に合った対策と自分自身の体調管理に敏感になって下さい。
編集幹事、ばんざいです。
ロングライダースVol.1の記事中でも最も暑い時期に長時間走ったレポートを書いた私が、少しでも快適に夏場のライドを楽しむ為、あるいは過酷な状況でも死なない為の熱中症対策についてまとめてみました。
但し、これはマニュアルではありません。
これに限ったことではありませんが、他人の例を丸ごと真似し『これだけやっておけば大丈夫』という安直な発想は避け、自分の身体と相談しつつ「良い塩梅」を探りましょう。
参考にすると共に、自分に合った対策と自分自身の体調管理に敏感になって下さい。
1)とにかくあらゆる手段で身体を冷やす。
汗をかくから水分補給をといいますが、そもそも発汗は気化熱で身体を冷却する為です。
体温の上昇を抑えれば発汗量も少なくて済み、それに伴う負担も減ります。
では具体的にどうやって冷やすか。
現実的でかつ有効なのは掛水。
飲料用以外に(もちろん兼用でも構いませんが)真水を入れたボトルを用意し、常に身体に掛けて湿った状態を保つ事で、気化熱を奪うことが出来ます。
頭、首筋、脇腹、太腿の付け根など、直接冷却したい場所や脂肪が薄く体表面近くに太い血管がある、熱伝導率が高い場所が効果的。
限られた水量で有効に冷却するには、水の冷たさで直接冷やすだけでなく、気化しやすい状態を保つ為に少しずつ掛けて湿った状態を保つと良いでしょう。
その為、流れ落ちやすい皮膚に直接よりジャージ等のウェア類に含ませた方がより効果的。
また、飲食物を摂る際も、可能であれば体温より低い(=冷たい)方が望ましいです。
暑いときには熱いものを等というのは論外。
俗説に体温に近い方が身体に負担が掛からないと言いますが、科学的に最も水分吸収しやすい温度は5~15℃とされます。
もちろん急激に冷たい物を大量に飲んだり食べたりしては胃腸に変調を来すに決まっていますが、冷た過ぎるものは口内で少し時間を掛けて味わっているうちに、血液の熱を効率よく奪ってくれるでしょう。
何事も程度問題です。
さらに体温上昇が深刻な場合は、コンビニなどでロックアイスを袋で買って直接首などにあてがって冷やすのも手です。
ジャージの背中に突っ込めばそのまま走ることも可能でしょう。
お薦めアイテムは保冷(保温)ボトル。
冷えたドリンクを入れれば走行中も冷たい物を飲めるというのはもちろん、掛水としてただの水道水を補給した場合も、通常のボトルのようにあっという間にお湯になってしまうのを防げるだけでも相当に違います。

2)直射日光を避ける。
もちろん、ルートを選べる場合は多少なりとも木陰が多そうなところを、という事もありますが、とは言っても日陰ばかり選んで走るわけにもいきません。
また、可能であれば日差しが強く気温が高い時間帯は避けるのが無難ですが、これも同様。
日中走る際にはアームカバーやレッグカバー(もちろんウォーマーではなく夏用)、アイウェア等を着用し、直接日光に晒される事を防ぐのです。

自転車の乗車姿勢で晒されがちな首筋も、髪を短く切り過ぎない事や、最近話題の保水冷却スカーフなどの利用で保護してやると良いでしょう。

こうしたUVカバー類を着用していると『暑そう』と言われますが、本当に体温より気温の方が高いような状況では、かえって涼しく感じます。
上記の掛け水を併用する事でさらに効果的。
但し、さすがに直接日差しが当たらない状況ではやはり素肌を晒した方が涼しいので、夕暮れ時になったら外すなど、臨機応変に対応しましょう。
3)水分と共にナトリウムをはじめとするミネラル補給。
発汗で失われるので充分な水分補給を、というのは既に一般にも浸透していますが、併せて適度な塩分(=ナトリウム)補給が必要な事はまだ充分に知られているとは言いかねます。
発汗によりナトリウムを失ったまま水分だけ補給しても、体内のナトリウム濃度を一定に保とうと汗や尿として水分を排出する為、「脱水状態なのに頻尿」という状態に陥ります。
しかも発汗や利尿での水分排出には限界があり、それを超えて水分摂取すると水中毒、低ナトリウム血症という症状を引き起こしかねません。
ではどの程度の塩分を摂取すればいいのか?
実はかなり幅があって定量化出来ません。
どの程度発汗したのかにもよりますし、同じ発汗量でも含まれる(=失われた)塩分量に相当な差が生じるからです。
普段汗をかき慣れていない人ほど損失が多く、逆に汗腺が鍛えられている人の汗はより水に近くなるそうです。
大まかに行って市販のスポーツドリンクが食塩相当0.1%前後ですが、摂取する水分と塩分のバランスはこの2~3倍ではないでしょうか。
(参考:大塚製薬「失った水と塩分を取り戻そう」)
http://www.otsuka.co.jp/health/heatdisorder/care_05/index.html
つまりスポーツドリンクだけでは不足なのです。
私の場合は塩タブレットを携行しコンビニなどで止まった際に併せて摂る事にしていますが、梅干などどこでも手に入るもので補うのも良いでしょう。
また、失われるミネラルはナトリウムだけではもちろんありません。
カリウム、鉄、カルシウムなども併せて補給するよう心がけましょう。
サプリメントもいいですが、コンビニなどで飲み物を選ぶ際に炭酸飲料ばかりでなくフルーツ・野菜ジュース(あくまでも果汁・野菜汁)やヨーグルトも選ぶのがお薦めです。
4)無理矢理食べない。
もちろん、無理なく食べられる範囲で、美味しい物を適度に食べた方が心身ともに健康を保てるに決まっています。
問題は「無理なく食べられる範囲」で、という事。
どうしても大量に発汗する関係で大量に水分摂取しそれを吸収せねばならないので、胃腸は弱りがちです。
摂取した水分で胃酸も弱くなりがち。
そこへ栄養補給せねばと沢山詰め込むと、胃腸の処理能力に負担が掛かりすぎて体調を崩したり、そこまで行かずとも消化吸収の為に血液が集中し、運動するのに必要な酸素を運搬する能力が低下します(つまり走れなくなる)。
食欲が無くなった際は無理に固形物を食べようとせずとも、ジュース類やゼリータイプ補給食等で最低限必要な栄養補給は出来ます(ロングライダースVol.1参照)。

5)暑さにも慣れが必要。
いくら対策をしても、自分の身体自体が暑さに対応出来る耐性が出来ていないと結局はどうにもなりません。
例えば汗をかく能力ひとつとっても、普段から汗をかき慣れている人とそうでない人では大きな差があります。
(参考:熱中症にかかりにくくなる「暑熱順化」)
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/special/20110624/111318/
意気込んでロングライドに出かける前に、少しずつ短時間から身体を慣らしてゆきましょう。
その過程で自分に合った暑さ対策を徐々に見出し、苦行ではなく楽しめる範囲で走りましょう。
私も何度となく暑さに苦しめられ酷い目に遭って参りました。
それでもなお、夏の日差しと青い空、彼方に見える積乱雲には心が躍るのは否めません。

汗をかくから水分補給をといいますが、そもそも発汗は気化熱で身体を冷却する為です。
体温の上昇を抑えれば発汗量も少なくて済み、それに伴う負担も減ります。
では具体的にどうやって冷やすか。
現実的でかつ有効なのは掛水。
飲料用以外に(もちろん兼用でも構いませんが)真水を入れたボトルを用意し、常に身体に掛けて湿った状態を保つ事で、気化熱を奪うことが出来ます。
頭、首筋、脇腹、太腿の付け根など、直接冷却したい場所や脂肪が薄く体表面近くに太い血管がある、熱伝導率が高い場所が効果的。
限られた水量で有効に冷却するには、水の冷たさで直接冷やすだけでなく、気化しやすい状態を保つ為に少しずつ掛けて湿った状態を保つと良いでしょう。
その為、流れ落ちやすい皮膚に直接よりジャージ等のウェア類に含ませた方がより効果的。
また、飲食物を摂る際も、可能であれば体温より低い(=冷たい)方が望ましいです。
暑いときには熱いものを等というのは論外。
俗説に体温に近い方が身体に負担が掛からないと言いますが、科学的に最も水分吸収しやすい温度は5~15℃とされます。
もちろん急激に冷たい物を大量に飲んだり食べたりしては胃腸に変調を来すに決まっていますが、冷た過ぎるものは口内で少し時間を掛けて味わっているうちに、血液の熱を効率よく奪ってくれるでしょう。
何事も程度問題です。
さらに体温上昇が深刻な場合は、コンビニなどでロックアイスを袋で買って直接首などにあてがって冷やすのも手です。
ジャージの背中に突っ込めばそのまま走ることも可能でしょう。
お薦めアイテムは保冷(保温)ボトル。
冷えたドリンクを入れれば走行中も冷たい物を飲めるというのはもちろん、掛水としてただの水道水を補給した場合も、通常のボトルのようにあっという間にお湯になってしまうのを防げるだけでも相当に違います。

2)直射日光を避ける。
もちろん、ルートを選べる場合は多少なりとも木陰が多そうなところを、という事もありますが、とは言っても日陰ばかり選んで走るわけにもいきません。
また、可能であれば日差しが強く気温が高い時間帯は避けるのが無難ですが、これも同様。
日中走る際にはアームカバーやレッグカバー(もちろんウォーマーではなく夏用)、アイウェア等を着用し、直接日光に晒される事を防ぐのです。

自転車の乗車姿勢で晒されがちな首筋も、髪を短く切り過ぎない事や、最近話題の保水冷却スカーフなどの利用で保護してやると良いでしょう。

こうしたUVカバー類を着用していると『暑そう』と言われますが、本当に体温より気温の方が高いような状況では、かえって涼しく感じます。
上記の掛け水を併用する事でさらに効果的。
但し、さすがに直接日差しが当たらない状況ではやはり素肌を晒した方が涼しいので、夕暮れ時になったら外すなど、臨機応変に対応しましょう。
3)水分と共にナトリウムをはじめとするミネラル補給。
発汗で失われるので充分な水分補給を、というのは既に一般にも浸透していますが、併せて適度な塩分(=ナトリウム)補給が必要な事はまだ充分に知られているとは言いかねます。
発汗によりナトリウムを失ったまま水分だけ補給しても、体内のナトリウム濃度を一定に保とうと汗や尿として水分を排出する為、「脱水状態なのに頻尿」という状態に陥ります。
しかも発汗や利尿での水分排出には限界があり、それを超えて水分摂取すると水中毒、低ナトリウム血症という症状を引き起こしかねません。
ではどの程度の塩分を摂取すればいいのか?
実はかなり幅があって定量化出来ません。
どの程度発汗したのかにもよりますし、同じ発汗量でも含まれる(=失われた)塩分量に相当な差が生じるからです。
普段汗をかき慣れていない人ほど損失が多く、逆に汗腺が鍛えられている人の汗はより水に近くなるそうです。
大まかに行って市販のスポーツドリンクが食塩相当0.1%前後ですが、摂取する水分と塩分のバランスはこの2~3倍ではないでしょうか。
(参考:大塚製薬「失った水と塩分を取り戻そう」)
http://www.otsuka.co.jp/health/heatdisorder/care_05/index.html
つまりスポーツドリンクだけでは不足なのです。
私の場合は塩タブレットを携行しコンビニなどで止まった際に併せて摂る事にしていますが、梅干などどこでも手に入るもので補うのも良いでしょう。
また、失われるミネラルはナトリウムだけではもちろんありません。
カリウム、鉄、カルシウムなども併せて補給するよう心がけましょう。
サプリメントもいいですが、コンビニなどで飲み物を選ぶ際に炭酸飲料ばかりでなくフルーツ・野菜ジュース(あくまでも果汁・野菜汁)やヨーグルトも選ぶのがお薦めです。
4)無理矢理食べない。
もちろん、無理なく食べられる範囲で、美味しい物を適度に食べた方が心身ともに健康を保てるに決まっています。
問題は「無理なく食べられる範囲」で、という事。
どうしても大量に発汗する関係で大量に水分摂取しそれを吸収せねばならないので、胃腸は弱りがちです。
摂取した水分で胃酸も弱くなりがち。
そこへ栄養補給せねばと沢山詰め込むと、胃腸の処理能力に負担が掛かりすぎて体調を崩したり、そこまで行かずとも消化吸収の為に血液が集中し、運動するのに必要な酸素を運搬する能力が低下します(つまり走れなくなる)。
食欲が無くなった際は無理に固形物を食べようとせずとも、ジュース類やゼリータイプ補給食等で最低限必要な栄養補給は出来ます(ロングライダースVol.1参照)。

5)暑さにも慣れが必要。
いくら対策をしても、自分の身体自体が暑さに対応出来る耐性が出来ていないと結局はどうにもなりません。
例えば汗をかく能力ひとつとっても、普段から汗をかき慣れている人とそうでない人では大きな差があります。
(参考:熱中症にかかりにくくなる「暑熱順化」)
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/special/20110624/111318/
意気込んでロングライドに出かける前に、少しずつ短時間から身体を慣らしてゆきましょう。
その過程で自分に合った暑さ対策を徐々に見出し、苦行ではなく楽しめる範囲で走りましょう。
私も何度となく暑さに苦しめられ酷い目に遭って参りました。
それでもなお、夏の日差しと青い空、彼方に見える積乱雲には心が躍るのは否めません。

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