編集幹事、ばんざいです。

個人的に今年初ブルベとなる、オダックス埼玉BRM130アタック霞ヶ浦を走って参りました。
実は月曜・火曜とインフルエンザで会社を休み、5日分処方されたタミフル他の薬を飲み切ったのが金曜日。
病気は治ったものの、はたして走って大丈夫なのか? とかなり弱気になり、前日になっても8割方DNS(=Do not start)するつもりで主催者にメールを打つ気でおりました。
が、ロングライダースの編集幹事が頭を付き合わせての最終校正大会はもう少し後になりそうだという事で、走れるうちに走ってしまえ、と覚悟を決めました。
幸いコースは以前にも走った事があり、キューシート無しで記憶だけでも走れるレベル。
もちろん、一応主催者発表のコマ図はプリントアウトしましたが、保険としてブルベカードと一緒に仕舞っておくという準備。

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上画像はスタート受付の模様。
補正されてかなり明るく見えますが、受付開始の6時台はまだ真っ暗で、ライトがないとブルベカードの記入も出来ません。
スタート時間の外気温は-4℃らしく。
受付終了後、じっとしていると寒いので近くのローソンまで買い物してトイレを借りるついでにジョギングで行ってみたり。
防寒装備は半袖アンダー+長袖アンダー(ウィンドストッパー付)+長袖冬用ジャージ+ウィンドブレークジャケット、下はウィンドブレークタイツという完全厳冬期装備。
ついでに首にネックウォーマ代わりにバンダナを巻く。
絶対に汗をかくに決まっているが、ゆっくり走ると決めているので特に防寒はしっかりしておかねばならない。
タイムは気にしないので、暑くなりそうなら止まって脱げばいいのだ。

さて、装備チェックを受けてスタート。
幸い、紳士的な走りをする練度の高いライダーがまとまって順調に進行。
非常に快適な集団の邪魔をせぬよう最後尾にやや車間を空けてついて行くが、1時間ほど走って野田でR16を超える交差点の信号待ちで、汗をかき始めたので歩道に待避してウィンドブレークジャケットを脱ぎ、腰に巻く。
上に羽織った反射ベストや手首に巻いた反射ベルトなども一々外さねばならないので、これが結構なロスになる。
当然次の信号待ちまで掛かって再スタートするが、5分以上経っているのに後続は一人も来なかった。
やがて利根川堤防上へ折り返した際にようやく後続の姿が見えるが、斜め前からの風に煽られつつマイペースで進行するとなかなか追いついて来ない。
信号待ちで一緒になるも、ローテーションしてペースを上げるという気は全くなかったので、抜かれるまでマイペースで進行。
やがて抜かれると今度はかなりいいペースで進行するので最後尾にぶら下がらせて貰うが、病み上がりの私には速いペースだったので筑波のりんりんロードに入る少し前で離脱。

りんりんロードでは見渡す限り前にも後ろにも誰一人居ないという、エントラントの多い埼玉ブルベ、しかも差が付きにくい平地の200kmとしては希有なシチュエーションになる。
やがて霞ヶ浦沿い堤防上の道路へ上がるところで、工事中迂回の場所をスルーして行き過ぎ、戻って再確認。
工事箇所より先に迂回路があると勘違いしていたが、逆に少し戻ったグラベルロードを通れ、という事らしい。
他にももう1箇所、迂回指示のある工事箇所があったのだが、残念だったのはいくらかのエントラントがその指示に従わず工事箇所を通過しているのが見えた事。
通れるか通れないか、ではない。
通って良いか悪いか、なのだ。
ブルベに限らず、自転車乗りは常に紳士淑女であらねばならない。
特にロードなどのスポーツ車は、普通より目立つのだ。

閑話休題。

霞ヶ浦はヨットが突っ走る強風だ(つまりいつも通り)。
往路は基本的に追い風基調だった為、約4時間で折り返し地点のPC2に到達。

PC2

その分、復路の向かい風が恐ろしい。
実際、折り返して復路を走り始めた途端にその洗礼を受ける。
これほどまでに強かったのか。
巡航速度25km/hを維持するのもかなりつらい。
病み上がりの体力の無さが露呈し、後続に結構なスピード差で抜かれるようになる。
そして驚くべき事に10kmも戻らないうちに、私より1時間後にスタートした某問屋勤務のブルベ馬鹿(仮名)とすれ違う。
前夜まで「ここ2週間ほど咳で悩まされててDNSの危機」とか言ってた癖に、こちらも追い風でそこそこいいペースで来たより更に30分は詰めてきたらしい……。
その後更に1時間ほど進んだところでいしこうさんともすれ違う。
時間一杯使って走るって言ってた癖に結構いいペース。
私はと言うと、りんりんロードでは更に風が強くなり、20km/hを維持するのがやっと。
県道200号へ復帰する直前では更に風が強くなり、15km/h付近まで落ち込む。
9時間でどうにかゴールまで戻れるか? と計算しつつはっと我に返り、今日は頑張らない筈だと思い返す。
タイム云々より早く帰って休みたい一心で休憩時間もPC2以外ほとんど取らず来たが、空腹を感じ始めたのでまともな飯屋に入って食事しよう、と決意する。
が、そう思って探すと、判ってはいた事だが沿道にほとんどそういう店が無い。
あっても日曜は休みらしく、明かりが灯っていないところばかり。

結局そのままPC3まで押し切らざるを得なくなったが、ハンガーノック気味になって更に失速。ますます頑張る気を失う。
そうこうするうち、140km地点を越えたあたりで歩道に止まってコマ図を確認していると、例のブルベ馬鹿(仮名)が追いついてきた。
次の信号待ちでヤツをよく見ると、ふくらはぎの肌を晒してやがる……。
毎日通勤で走って寒さになれているとはいえ、観ている方が気持ち悪くなる。
あっという間にその後ろ姿を見送り、小貝川サイクリングロードを這うように進んだ後、PC3のミニストップに到着。
イートインがあるので、もうここでガッツリ食べて休憩する事に。
PC3
写っている他にチキンチーズドッグも。

PC3に着いたのが14時20分くらい。
眠くなり掛かって出発したのが15時近く。
今までのブルベでは、仮眠でも一度に40分近くも止まってた事ってほとんど無いんじゃなかろうか?
残り40km少々なので、ブルベ的にはもうゴールはすぐそこ的な感覚の筈なのだが、とにかく休まないと走る気にならなかったのだ。
他のエントラントも口々に辛い辛いと連発している。
平地でも風が吹くと肉体的にも精神的にも修行度が高くなるのだ。
私はこのコースで冬場だとこの程度の風が吹くのは充分想定内だったのだが、なにせ体力が落ち過ぎていた……。
外に出ると気温が下がっているので、腰に巻いていたウィンドブレークジャケットを羽織り直して再出発。

いくらも走らないうちに今度は無性にコーラが飲みたくなって自販機に止まったり、普段やらないような事ばかり。
それでも完全に日が暮れる前、17時くらいにはゴールにたどり着きたいとホドホドにペースを維持。
信号待ちのゴーストップでは、極力脚を使わぬようにそろりと加速する。
16時くらいから念の為前後の灯火オン。
潰れぬよう淡々と進行し、17時直前にゴール地点に。
ゴール手続きで数人溜まっていた為、ゴールタイムは10時間01分。

ともあれ、無理さえしなければ走ってみれば走れてしまうものである。
DNSせずに走れるときに走っておいて正解だった、というお話。