編集幹事、ばんざいです。

骨の髄までレース屋上がりの私は、自転車に乗る=練習でした。
しかし、単に遊びで乗るとなると、いつも同じコースでは当然飽きます。
そこで、行ってみたいと思った所へは自転車で行くようになりました。


昨年5月。
ニコニコ動画などで有名なチェーンソーアーティストのジェイソンさんが、木崎湖でチェーンソーカービング実演イベントを行うという情報を得た。
http://www.kizakiko.com/top_jeisonsan.htm
私は考えた。
折角だから木崎湖周辺も自転車で走りたい。
しかし同行者が居なかったil||li_| ̄|●il||li
別に独りで車で行ってもいいのだが、ゴールデンウィークだけに渋滞が凄まじい事が予想された。

……どうせ独りなら、自走でもいんじゃね?



MapFanで検索したルート。
http://bit.ly/bv3NwN

深く考えずにこれで行く事に。
ラリーマップを出力し、ブルベの際と同様A7ケースに入れてタイラップでステムにマウント。
総距離およそ 263.5 km、峠が入る事を考慮して余裕をみて12~13時間もあれば着くだろう。
段取りに余裕を持つために4日に行くとして、ショーの開始が9時だから、逆算して前日20時程度に出れば良かろう。
3日は睡眠時間の調整に充て、日中に寝れるだけ寝る。

装備は極力サドルバックとツールボトルに放り込む。
灯火はハンドルにマウントしたDoSun M1+とヘルメットにマウントしたGENTOS SG-305、手首・上腕・足首に反射材を巻く。
ポケットにはメイタン・サイクルチャージ、アミノバイタル、塩熱飴、胃腸薬その他の薬類等と財布。携帯電話はポケットを空けるためにネックストラップで下げた。
夕飯を済ませ、19:25出発。

空気が生暖かく、夏用アンダーに夏用ジャージ+UVアーム&レッグカバーという真夏仕様でも走っていると汗ばんで来る。
信号待ちでは明らかに「暑い」と感じるほど。
冷え込みに備え腰に巻きつけた長袖ジャージの出番はあるのか? と思うくらい。
発汗による低ナトリウム症対策として、塩熱飴を摂る。

R16>R17はマップを見るまでもない区間なのでミスコースの心配はないが、交通量が多いのが難点。
R17熊谷バイパスに入ってまもなく、70kmを少し超えた辺りでこの先コンビニも少なくなりそうなので最初の休憩。
レシートの記録はローソン行田渡柳店22:11
幹線道路の常で、車の走行風で追い風基調になるのでペースはそこそこ、巡航速度は35km/h程度なのだが、信号待ちも多いので意外と時間が掛かっている。 
このままだと総距離の半分超えるのが夜半過ぎ、トータルで木崎湖に辿り着くまでに12時間を超えるかな、と漠然と思う。
缶コーヒー、アンパンをその場で貪り、用意しておいたキャベジンとビオフェルミンも一緒に流し込む。
薄皮チョコパンはトレーを抜いてポケットに。
ポケットに突っ込んでおいたメイタンサイクルチャージも摂り、塩熱飴を口に含んで再出発。
熊谷バイパスは交通量は少ないが、それだけに抜いてゆく車のスピードが速く、路肩が狭いところでは危険。
そして本線車道自転車走行禁止の区間も度々あるのだが、自転車の走れる歩道の整備が中途半端で突然歩道が狭くなったりブラインドコーナーがあったりでそっちも危険。
車道を走っていれば対向車のライトで幻惑されて自分の足元が見辛く、歩道は真っ暗で狭く突然障害物が現われる。
M1+の100%モードをもってしても結構気を遣う。
高崎までそのまま進行。
左折ポイント付近で似たような橋があり、道端に止まって慎重に渡るべき橋の名前(君が代橋)を確認。
この時点で全行程の半分弱。夜半過ぎなので5時間弱。おおむね予想通り。
気温が急激に下がりはじめ、空腹感も覚える。
そしてライト(M1+のインジケータ)もレッドに変わったので、セブンイレブン安中原市店に寄る。
レシートによると01:09
飲むヨーグルト500mlとパンケーキ1枚、携行したアミノバイタルとキャベジン、ビオフェルミンを摂り、M1+のバッテリをその場で買ったアルカリ単3と交換。
そして再スタート――直後、更に下がった気温に堪らずすぐに歩道へ上がり、長袖ジャージを羽織った。
やがて道は登り基調に。道路標識に妙義山などと現われる。いよいよ山岳ステージだ。
碓井バイパスに入る。
先が長いのでペースを落としジワジワ上る。
汗をかかないようにジャージのジッパーを降ろすが、脱ぐほどではない。
斜度はさほどきつくないが、緩くもならず常に登り続ける印象。
潰れぬよう39×25or27でペースを抑えて登ると、苦しくはないが当然遅い分だけ長時間登り続ける事になる。
M1+のインジケータが、バッテリ交換後1時間程度しか経っていないのに赤く点灯。
恐らく充電池(Ni-MH2700)前提で設計されている為、アルカリ電池の方が若干平均電圧が低くてこういう事が起きるのであろう。
これじゃ、アルカリ電池使用時には役に立たんな>インジケータ
光量が落ちるわけでもないので無視して進行。
ヘルメットにマウントしたSG-305は時折マップを確認するとき以外は点灯していないし、ツールボトルに予備バッテリがあるので最悪それだけでも乗り切れる。

路肩は広いし、斜度がきつい場所で車を避ける際には歩道がある場所もかなりあるので思ったより自転車でも走りやすい――と思ったのは最初だけ。
歩道が無くとも登坂車線がある場所はまだ良いが、登坂車線もなく路肩の余裕もほとんど無い左コーナーで大型トラックが自分の後ろに詰まると、怖いと言うより申し訳無い。

(´Д`;) ゴメンナサイゴメンナサイ
∨)
((

(;´Д`) スミマセンスミマセン
(  八)
〉 〉

(´Д`;)、  コノトオリデス
ノノZ乙

向こうは仕事で走ってるからなぁ……。

そして歩道や登坂車線を走っていると、しばしばチェーンの着脱所を迂回する形で本線と離れる。
何度かそうした場所を通過するうち、完全に本線と分離した。
すぐに合流するかと思いきや、右手の本線はあっという間に頭上に離れて行く。
大丈夫だよな……と思いつつ、どうも地元の集落っぽい方面に向かっている雰囲気。
戻れるうちに戻ろう、とUターン。たいして登ってないつもりだったのに結構下る。
結局ロスは往復1.5km程度。距離はともかく、登りでこれをやると心身共にダメージがでかい。
特にルート復帰してからも「本当にこっちでいいんだろうな?」という疑問が生じると精神的負荷になる。
何の為に歩道なんかあるのか、と思っていたが、ああした途中に生活圏がある人の為のものなのだろう。
無論、常識的に徒歩や自転車で行き来出来る距離や高低差ではないので、どちらかというと道路保守用なのだろうが。
上って行くに従って路肩は狭く、いきなり土留めのコンクリート壁になる。
縁石で一段高くなったその土台部分が一件歩道っぽく見えなくもないが、もちろん違う。そこを走ったら谷間に掛かる橋に差し掛かったところで、欄干外側の崖下に直行である。
遥か遠く下方から聞こえる沢の音からして、落ちたら命はないどころか、白骨化する前に発見されるだろうか?
段々荒んだ気分になりながら登り続ける。
抜いていった車のエキゾーストノートが頭上遥か彼方から聞えてきて不穏な予感。
そ ん な に 上 ま で 登 る の か ?
既に結構登ったつもりで、稜線の形からしてもうすぐ峠か? と思っても、コーナーを抜けると遥か上方に外灯が見える、というのを何度も繰り返す。
さすがに飽きてきた頃にようやく峠を越え、軽井沢へ。
下りはコーナーもほとんど無く一気に下る。
寒 い !
そして雪国固有のチェーンで荒れた路面の振動がきつい。
振動吸収性に優れるチューブレスタイヤのフュージョン3だが、所詮は23C。
25C版の登場が待たれるところである。
明るくなり始めたところでどちらかというと寒さに耐えかねコンビニ休憩。
ローソン西軽井沢店でホット缶コーヒーのみ購入。03:58
ここまで180km弱。ミスコース分を考慮し、残り90km程度か。
あと4時間で着くのは厳しいか? 当初の目論見より現着時間が遅れそうな予感。
この先の登りがきつくない事を祈りながら走るが、ペースを上げると走行風で寒いのでダラダラ下る。
温泉街っぽいところをミスコースしないように慎重に抜け、やや登り基調になってしばらく行くと道の駅あおきがあったのでトイレ休憩。
ついでに自販機でホットココアを買って暖まる。
ここまで走行約215km、再スタートしたのが05:50くらいか?
予定では270km弱の行程なので、この位まで来ると普通はもうほとんど着いたも同然という気になるのだが、行く手にそびえ立つ山脈が不安を煽る。
っつーか、四方八方、どっちを見渡しても山しか見えん……。
案の定、そこからまた山岳ステージ。
10%を大きく超えるような激坂はないものの、緩斜面もなく平均勾配はかなりきつい。
そもそも長野は山の形自体が全般に急峻なのだ。
九十九折りの道をジワジワ上って行くと、大したペースでもないのに今来た道が遥か眼下に見える。
景色は非常に良いので、マイペースで上って行くには非常に気持ちの良い道である。
が、とにかくどちらを向いても山しか見えない。
険しい峠に到達すると案の定、やはり行く手にも山しか見えない。
これ、下ったらまたあの先の山登るんだよな……。
55号
 
下っている最中も、復路はこれをまた登り返すのかと思うと、とても爽快な気分になどなれない。
そもそも復路も自走で帰れるのか不安が生じてくる。
体力はともかく、時間が掛かり過ぎだ……。
20kmほども下り、犀川を渡ってからまた登り。
残り距離はわずか20km程度の筈。
普通だったら本当にもう着いたも同然なのだが、目の前には山塊。
09:00のカービングショー開演までに間に合うのかという不安まで出てきた。
だが、ここで焦って潰れてはどうしようもない。
ジワジワ上る。
ボトルの中身も残り少なくなり、段々暑くなってきた。
コーラくれコーラ(;´Д`)ハァハァ
だが同時にトイレにも寄りたくなってきたので、とにかく峠を越えてしまうかとそのまま進行。
……しかし、長い。
一向に峠が見えてこないのに参り、ついに何もない道端で止まって一息つく。
が、何もないところでじっとしていても回復もしないので、ノロノロ進む。
やがて公衆トイレがあったので立ち寄るが、山菜採りの人向けの「熊出没注意」の看板が。
夜通らなくて良かった。っつーかどんだけ山の中なんだ……。
その先ようやく下りになり、下り切ったところで自販機発見。
ドクターペッパーがあれば言う事はなかったのだがそんな贅沢は望むべくもなく、ウルトラコーラをその場で飲み干す。
残りわずか10km程度。
線路を越え、観光地然とした市街地を抜け――
おお、あれが例のローソンか<この時点ではツインズ観てなかったから実はよく判ってなかった
その脇を抜け、これでいいのかと思う細い道を進行。
やがて「ジェイソンさんが彫る」の看板が。
おお、すでに観客が集まりはじめている広場中央にみずほ先生がおられる。
ようやく辿り着いたと時計を見ると丁度09:00である。13時間半以上掛かってしまった。

既に開始予定時間だが、ほどなくスタッフよりジェイソンさんの到着が遅れており、開始が30分遅れる予定とのアナウンスが。
これ幸いと、先に星湖亭で朝食を済ませて来る事にする。 mariecry
marie


ともあれ、どうにか無事に開始前に現場まで自走で辿り着いた。
きつかったが、走り応えのある楽しいコースだった。

4



カービングショー自体を堪能したのは勿論、ニコ動のコミュ掲示板で「千葉から自転車で行く」と宣言して行ったので、チームジェイソンプロデューサーのゴレイヌさんが覚えていて下さったり、ジェイソンさんにもご挨拶出来たり。
「自転車で来た」というだけで覚えてもらいやすかったり話のタネになるのは、ロングライドの醍醐味の一つといえる。

皆さんもぜひ、どこか行ってみたいと思った場所には「自転車で行けないかな?」と考えてみて頂きたい。
行きたい所へ行く。それはただやみくもに走る以上に楽しいもので。