10月25日、彼は永眠しました。

できることならこんな記事は書きたくなかった。
彼のことを思うと今でも心が千々に乱れる。
布団をかぶって目が覚めたら世界は元に戻っているんじゃないか。
決してそんなことはなかった

彼が亡くなる10日ほど前、彼がこのブログのために書いてくれた文章を掲載します。
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胃弱でも最後まで摂れる補給食は? by からたろーぶちょー

ロングライドでもレースでも、速い人強い人は大体において胃腸も強いです。
見ている方が胸焼けしそうな量の食事を平らげてけろりとしています。
というかそれだけ食べてもまだ物足りなそうな顔をしていたりします。
しかも200Km300Km走った後でもそんな調子です。
しかし。
あいにくぼくはそういう超人たちとは対照的に胃腸が弱いのでした。
山ありの100Kmを走ったら、もう甘ったるい補給食は食べられなくなります。
スポーツドリンクですら、甘ったるいと感じて受け付けなくなってしまいます。
ブルベのPCになっているコンビニの前で、みんながバクバク食ってる横でソルマックとか飲んでいて

そんな顔色(緑色)で大丈夫か」

などとチームメイトに聞かれているメイドさんジャージがいたら、それはまぎれもなくぼくです。

「大丈夫だ。問題ない……ごめんなさい嘘ですマジでやばいです」

そんなぼくでも、消耗した時でも摂れる補給食についてのお話です。


序盤は特に問題はありません。
おにぎりでもパンでもパスタでもカレーでも、がっつり食べられます。

ついでに。
かなり疲労した段階でレッドブルをチャージする人も多いかと思いますが、個人的には
レッドブルは運動を開始する前に飲んで行く方が具合がいいです。


中盤あたりからだんだん食欲が失せ始めます。強い人はこの辺で唐揚げとか食ってますが(笑)
かろうじて食べて美味しいと思える固形物はシリアルバーくらいかな。
そうなったあたりからはゼリー系補給食が主食になります。

以前はパワージェル、グリコーゲンリキッド、カーボショッツ等を愛用していましたが、
現在はメイタン・サイクルチャージが主食です(笑)
適度に酸味があって甘過ぎないので、消耗して甘い物に食傷してからでも飲めるのです。
じんわり脚に力が戻って来るまでの時間が他より早い印象があるのもうれしいです。

へばった時にメイタン・サイクルチャージ・カフェインプラスを摂るとかなり動けるようになるのは
何度も体験していますが、しかしそれはあくまでカフェインによる元気の前借りなので
長続きしません。
(コカコーラドーピングも短期的には効果がありますが、やはり長続きしませんよね)

基本サイクルチャージ
ここ一番というところでカフェインプラス
という使い分けがお勧めです。


終盤はもう何も食いたくありません。何も飲みたくありません。
みんながおにぎりとか食ってる横でソルマックだけ、という状態になるのがこの段階の入口です。

ハンガーノックを起こしたら走れませんし、脱水症状を起こしたら生死にだって関わります。
それでも甘いもんはもう見るだけで胸焼けを起こすくらいの感じで駄目ですし、
水を飲んでもお腹がたぽたぽになるだけで吸収できません。
そうして補給できずに自滅して行くのがぼくみたいな胃弱のいつもの負けパターンです。
そんなことではいけないのですが。

甘くない補給食、できれば辛い補給食があるのなら、ぜひとも試してみたいところです。
オーバースチムにそういう辛いのがあるという話は聞いたことがあるのですが、あいにくまだ
現物を見たことがありません。

水分補給の際にアスリートソルトを併せて飲むようになって、終盤でも水分は
わりと摂れるようになりました。
飲むヨーグルトとりんごジュースはわりと美味しく飲めます。
固形物はモナカアイスくらいが限度かなぁ(固形物とは言わない気もするけれど)


終末期。
ようやく本題ですが。
最後まで摂れる補給食は、ぼくの場合は牛乳です。
紙パックの一番小さいやつを、噛むようにしながら少しずつ少しずつ飲む感じでかろうじて、
ですけどね。
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友よ、安らかに眠れ