
ロングライドというのは長距離かつ長時間自転車に乗ることになるわけで、必然的にトラブルに遭遇する確率も高くなります。そこで少しでもリスクを減らすためにも機材の選択は重要なファクター。今回は最も投資効率の良いタイヤの選び方についてお話したいと思います。
まず、基本的にメーカーの完成車に付属するタイヤは一部のハイエンドモデルを除くと、「とりあえず走れればいいや」程度のエントリーグレードであることがほとんどです。それでも街乗り程度なら大きな問題ないのですが、本格的にロングライドやレースをやろうとすると性能不足も甚だしい。特に路面が濡れるような状況ではスリップやパンクを起こしやすく、怪我やタイムロスのリスクが高くなります。
ここで「雨の日は走らないから関係ない」とか思った方は失礼ながらロングライドをナメてらっしゃる。長時間走るということは天候急変のリスクも抱えることになるわけで、特に山岳地帯なんかでは全く天気予報がアテにならないし、晴れていてもブラインドコーナーを抜けた先の路面が滲み出しで濡れているなんてこともザラ。全天候でそれなりにグリップしてパンクしにくいタイヤが理想的。そして高性能だからって単純に高級レーシングタイヤを使えばいいってわけではないのです。有名メーカーのハイエンドモデルでも天候によっては性能が極端に低下するものもあるし、雨になると途端にパンクしやすくなるものもあります。
そうなるとどう選んでいいか分からなくなると思いますので、現役のショップ店員かつ現役実業団レーサーである私がロングライドにオススメできるタイヤをいくつか紹介したいと思います。なお、運用及び修理の容易さからクリンチャー及びチューブレスタイヤの使用を推奨します。
○Panaracer RACE typeD 25C
レーシングタイヤとして最高クラスの耐パンク性を誇る高耐久タイヤの代表格。パンクしないだけでなく天候問わずグリップ性能も最高レベル。国産メーカーだけに日本の道路を良く分かっている。標準は23Cだがロングライドならば快適性を考慮すると25Cがベター。取扱店も多く入手性も○。欠点はタイヤの断面が三角形になっているためコーナーリングに癖があること。
http://panasonic.co.jp/ppt/lineup/road.html
○Hutchinson INTENSIVE 25C
上記Duroに比べるとマイナーではあるが、高耐久タイヤとしてDuroに比肩する性能を持つ。得意分野はレースよりもロングライド。乗り心地に優れるほか、ロード用タイヤとしては驚異的な耐摩耗性6500km(後輪)を誇る。それほどの耐摩耗性を持ちながらも雨天でも良好なグリップを保持。価格も定価ベースで5,000円を切っておりコストパフォーマンスの高さも魅力的。欠点はよっぽど走る人でないと摩耗の限界よりもゴムの劣化が早くきてしまうこと。チューブレス版もあり。
http://www.dinosaur-gr.com/hutchinson/hutchinson_2/index.html
http://www.dinosaur-gr.com/hutchinson/hutchinson_1/index.html
○CONTINENTAL GRAND PRIX 4000S 25C
非常にバランスのとれた定番レーシングタイヤ。耐パンク性とグリップ性能も標準以上のものを持っており、さらに軽量で転がり抵抗も低いという万能性を持つ。山岳地帯のロングライドではその軽さが助けになる。欠点は上述2製品に比べると耐パンク性で若干劣ることと比較的高価であること。同GRAND PRIXシリーズには『4-season』という高耐久モデルもあるがグリップに劣るためどちらをとるかは悩みどころ。
http://www.mizutanibike.co.jp/continental/products/road02.html
さて、こんなとこでしょうか。他にもっと知名度の高いメーカーのタイヤとかもありますが、様々な要素を考慮すると私が考える中ではベストの3本ですね。これに加えて『Hutchinson Fast'air』のような応急パンク修理剤なんかを組み合わせればかなり快適なロングライドライフを送れると思います。
ではでは素敵なロングライドライフを。
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